割った余り

主に統計学の勉強メモ

ベイズの定理を使った解答テクニック

 

ベイズの定理を使った練習問題を解く際に注意することのメモ。

まず、以下のベイズの定理の公式 

$$ P(A|B) = \frac{P(B|A)P(A)}{P(B)} $$ ...(1)

は練習問題を解くうえでまず役に立ちません。(断言)

以下の公式ならどうでしょう。

$$ P(A,B) = P(B|A)P(A) $$ ...(2)

(2)式もまず使えないでしょうが以下の役に立つ公式

$$ P(B) = \sum_i{P(B|A_i)P(A_i)} $$ ...(3)

を証明するのに使えます。

 P(B) P(B,A) Bに関する周辺確率だと考えた場合、(2)式を使って P(B)

$$ P(B) = \sum_i{P(B,A_i)} $$

$$ =  \sum_i{P(B|A_i)P(A_i)} $$ ...(4)

と表せることが示せます。(これで(3)式が示せました。)

 (3)式は使えます。(断言)

実際に(3)式を使って練習問題を解いてみます。

 

練習問題(例1)

「ある病気にかかっている」という事象を Bとする。

現在判明している事実は検査の結果、

妖精と判断される確率 P(A{_妖})と、

妖精と判断された場合にその病気にかかっている確率 P(B|A{_妖})と、

院生と判断される確率 P(A{_院})と、

院生と判断された場合にその病気にかかっている確率 P(B|A{_院})

である。

この場合に「ある病気にかかっている」確率 P(B)を求めよ。

ただし、検査の結果は妖精か院生の2値のいずれかであるとする。

 

練習問題(例1:解答) 

(3)式が直接使えます。

$$ P(B) = {P(B|A{_妖})}{P(A{_妖})} + {P(B|A{_院})}{P(A{_院})} $$

以上。