現代数理統計学(竹村彰通 創文社 p34 問6 解答)
問)
...(2.83)
を示せ。またとおく時
...(2.84)
を示せ。これよりが連続ならば,の時
...(2.85)
を示せ。また、が離散分布の場合には(2.83)式及び(2.84)式で等号が
必ずしも成り立たないことを例を用いて示せ。
解答)
テキストp17~p18の説明のとおり
...(1)
である。(1)式の両辺の値それぞれの累積分布関数の大小関係は
...(2)
と変わらない。(2)式より
...(3)
を示せば(2.83)式を示したことになる。
(3)式はテキストp17に書かれている定義
...(2.25)
より明らかである。
以上より(2.83)式が示された。
次に(2.84)式を示す。
(1)式の大小関係はより
...(4)
である。(4)式より
...(5)
を示せば(2.84)式を示したことになる。
テキストp17のの定義式(2.26)式は
...(6)
と変形できる。(6)式より(5)式が成り立つのは明らかである。
以上より(2.84)式が示された。
次に(2.85)式を示す。
(2.85)式は
...(7)
と同値である。
は累積分布関数であるので常にである。
よっての場合、
...(8)
である。また、は累積分布関数であるので常にである。
よっての場合、
...(9)
である。
最後にの場合を考える。
(2)式と
...(10)
...(11)
より
...(12)
である。(12)式と(2.83)式と(2.84)式から
...(13)
である。また、テキストp18の(2.28)式より
...(14)
であるから、として定数とし、を確率変数としたとき、
...(15)
となる。(13)式と(15)式より
...(16)
となる。
これで(8)式と(9)式と(16)式より(7)式が示されたので、
(2.85)式が示された。
最後にが離散分布の場合には(2.83)式及び(2.84)式で等号が
必ずしも成り立たないことを例を用いて示す。
が
...(17)
のような二項分布に従うと仮定する。このとき
...(18)
であるので、
例えばのとき
...(19)
であるから、
...(20)
...(21)
である。よって、
...(22)
...(23)
...(24)
...(25)
となるので、この場合では等号が成り立つは存在しない。
以上