割った余り

主に統計学の勉強メモ

「モンティ・ホール問題」の条件付確率を用いた解法

「モンティ・ホール問題」を条件付確率の公式を用いて解いてみます。
「モンティ・ホール問題」の概要については、ウィキペディアを参照。
モンティ・ホール問題 - Wikipedia

最初に、以下の3つの事象を設定します。
X:最初の選択時にプレイヤーがアタリのドアを選択する。
Y:司会者がハズレのドアを開けた後にプレイヤーが最初に選択したドアと違う司会者に開けられていないほうのドアを選択しなおす。
Z:プレイヤーが最終的にアタリのドアを選択する。

問題はP(Z|Y)P(Z|\lnot{Y})のどちらが大きいかです。


Z=(\lnot{X}\land{Y})\lor(X\land{\lnot{Y}})
であることに注意すると、

    \begin{eqnarray}
P(Z|Y) &=& \frac{P(Z\land{Y})}{P(Y)}
          &=& \frac{P(\lnot{X}\land{Y})}{P(Y)}
          &=& \frac{\frac{2}{6}}{\frac{1}{2}}
          &=& \frac{2}{3}
    \end{eqnarray}

    \begin{eqnarray}
P(Z|\lnot{Y}) &=& \frac{P(Z\land{\lnot{Y}})}{P(\lnot{Y})}
          &=& \frac{P({X}\land{\lnot{Y}})}{P(\lnot{Y})}
          &=& \frac{\frac{1}{6}}{\frac{1}{2}}
          &=& \frac{1}{3}
    \end{eqnarray}
となります。ここではXYが互いに独立な事象であることから、

    \begin{eqnarray}
    P(\lnot{X}\land{Y}) &=& P(\lnot{X})P(Y)
                        &=& \frac{2}{3} \times \frac{1}{2}
                        &=& \frac{2}{6}
    \end{eqnarray}

    \begin{eqnarray}
    P(X\land{\lnot{Y}}) &=& P(X)P(\lnot{Y})
                        &=& \frac{1}{3} \times \frac{1}{2}
                        &=& \frac{1}{6}
    \end{eqnarray}
であることに注意します。

よってP(Z|Y)のほうがP(Z|\lnot{Y})より大きいことから、
ドアを選択しなおしたほうがアタリやすいことがわかります。

以上。